インターネット上の掲示板や知恵袋、SNS上では、時折「おっぱいの正式な漢字表記が存在する」という言説が話題を呼びます。代表例として挙げられるのが「御乳」や、中国語の俗語を借用した「欧派」という表記です。
歴史的な真相を調査すると、「御乳」と書いて「おちち」「おんち」と読ませる例は古文書にも多数存在しますが、これを「おっぱい」と読ませるのは近世以降の当て字、あるいは近代文学におけるルビ表記に過ぎません。明治から大正期の文豪たちが、作中の口語表現を表記する際に「御乳(おっぱい)」と振った例は確認できるものの、漢字自体に本来「ぱい」という音読みや訓読みは備わっていません。
また、現代の繁体字・簡体字圏で日本の某メーカー名やアニメカルチャー経由で普及した「欧派(オーパイ)」は、日本語の発音を逆輸入した音訳当て字です。ネット上では「中国の古典に由来する」といった誤情報が散見されますが、これは明らかな逆転現象であり、歴史的事実とは異なります。