「高知県のお土産はカツオのタタキか芋けんぴを買っておけば十分」――もしそう考えているなら、土佐の食文化の半分以上を見過ごしていると言わざるを得ません。週末の高知市内のスーパーや直売所を定点観測すると、県外客の姿がまばらな売場の一角で、地元住民がカゴいっぱいに買い求めていく知られざる名品が存在します。
その代表格が、ヤマサキ農場が手掛ける「ゆずたま」です。高知県産のゆず皮を飼料に混ぜて育てられた鶏から産まれる卵で、殻を割った瞬間に天然のゆずの爽快なアロマが立ち上ります。卵かけご飯専用として開発されたこの逸品は、化学香料を一切使用せず、卵特有の生臭さを完全に消し去った奇跡の食材として、高知市内の飲食店でも争奪戦が繰り広げられています。
さらに、津野町の山間部で栽培される上質な茶葉を贅沢に使った「満天の星大福」も、見逃せない隠れた主役です。厳選されたほうじ茶の微粉末をまぶした柔らかい餅の中に、上品な甘さのこし餡と生クリームが包まれており、口に入れた瞬間に広がるビターな香ばしさは、甘いものが苦手な層すら虜にします。地元民が法事や慶事の手土産として事前予約して買い占めるため、夕方には店頭から姿を消すことも珍しくありません。