「本番10分前まで、原稿の一文字一文字に妥協を許さない人でした」——長年現場を共にしたディレクターは、目を潤ませながらこう語る。画面越しに見せる厳格な表情とは裏腹に、スタジオを一歩出れば、若手スタッフの悩み相談に何時間も付き合う温厚で人間味あふれる人柄だった。
カメラが回っていない場面で見せる笑顔や、後輩の男性アナウンサーへ向けた熱意ある指導は、共演者たちの記憶に深く刻まれている。放送の合間に見せる無邪気な素顔と、仕事に対する一切の妥協を排したプロ意識の落差こそが、周囲から深く愛された理由だった。