山崎豊子の代表作と実話モデル徹底解剖!名作を読む順番と取材の真相

山崎豊子の代表作と実話モデル徹底解剖!名作を読む順番と取材の真相

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山崎文学の真骨頂は、国家規模の動乱や金融界の権力闘争に翻弄される人々の姿を描き切る筆力にあります。

高度経済成長期の金融再編を舞台にした『華麗なる一族』では、阪神銀行頭取の万俵大介を中心とする万俵家の骨肉の争いと政略結婚が描かれます。この万俵財閥のモデルは、旧神戸銀行(現・三井住友銀行)や播州の岡崎財閥など複数の地方名門財閥と目されています。親子の対立と野望の果てに訪れる破滅劇は、ギリシャ悲劇にも匹敵する壮大さを誇ります。

シベリア抑留を生き延び、総合商社のビジネス最前線で国防機選定に挑む『不毛地帯』は、登場人物の重厚さが際立ちます。主人公・壱岐正(いき ただし)のモデルは、大本営参謀から伊藤忠商事の会長にまで上り詰めた瀬島龍三氏です。苛烈な抑留生活から立ち上がり、国際ビジネスの冷徹な戦場で国益を背負って戦う男たちの姿は、ビジネスパーソンに圧倒的な示唆を与えます。

そして、中国残留孤児の数奇な運命を描いた『大地の子』。主人公・陸一心(ルー・イーシン=日本名:松本勝男)が文化大革命の過酷な弾圧を耐え抜き、日中共同の製鉄所建設プロジェクトに情熱を注ぐあらすじは、涙なしには読めません。執筆にあたり、山崎豊子は当時の中国共産党総書記・胡耀邦氏に直談判し、外国人作家として前例のない最高機密エリアへの取材許可を取り付けたという逸話が残っています。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。