事件が発生したのは、2018年6月9日午後9時45分頃のことでした。東京発新大阪行きの東海道新幹線「のぞみ265号」が新横浜駅から小田原駅の間を走行中、12号車の客席で突如、当時22歳の小島一朗がナタとナイフを取り出し、隣に座っていた女性客へ無差別に切りかかりました。
車内は悲鳴とともにパニック状態に陥り、多くの乗客が前方車両へと逃げ惑う事態となります。その極限の緊迫感の中で、通路を挟んだ後方に座っていた梅田耕太郎さんは、一切躊躇することなく座席から立ち上がりました。逃げるのではなく、凶行に及ぶ小島と傷ついた女性の間に割って入り、「何をやっているんだ、やめろ」と犯人を制止しようと組み付いたのです。
小島は標的を梅田さんに変え、執拗に刃物を振り下ろしました。梅田さんは致命傷を負いながらも最後まで犯人を抑え込もうとし、その隙に襲われていた女性2人は避難することができました。列車が小田原駅に緊急停車し、警察官が突入したことで犯人は現行犯逮捕されましたが、梅田さんは搬送先の病院で尊い命を落とす結果となりました。