脚本家・清水有生が紡ぎ出した物語は、従来の朝ドラの枠組みを大きく揺さぶる重厚さを湛えていた。大正から昭和、そして平成へと移ろう時代の荒波。親の愛を知らずに育った少女が、駅長である養父をはじめとする温かな人々に支えられながら、自らの足で人生を切り拓いていく。
ロケ地となった北海道留萌地方の沼田町には、オープンセットとして「明日萌駅」が建設された。実際に留萌本線を走る蒸気機関車C11が雪煙を上げて疾走する映像美は圧巻の一言。テレビドラマという表現ジャンルが到達したひとつの頂点がここにある。広大な大地と寒冷な気候が醸し出すリアリズムが、登場人物たちの葛藤と情愛をどこまでも際立たせていた。