現在の日韓関係を観察する上で最も顕著な現象が、「ネット言論空間」と「リアルなストリートカルチャー」の完全な乖離です。
ヤフーニュースのコメント欄(ヤフコメ)やX(旧Twitter)、保守系まとめサイトを覗けば、韓国関連の政治記事には今なお数千件単位の辛辣な意見が並びます。「約束を守らない国とは距離を置くべき」「これ以上譲歩する必要はない」といった意見は強い共感を集め、ある種の防衛本能的な反応として機能しています。
しかし、渋谷や新大久保、あるいはTikTokやInstagramのタイムラインに目を移すと、光景は一変します。日本の10代・20代にとって、韓国のアイドル、Webtoon(縦読み漫画)、コスメ、ファッション、韓国風カフェは「海外の特別な文化」ですらなく、日本のトレンドの一部としてナチュラルに消費されています。
都内の大学に通う女子学生(21)への取材では、次のようなリアルな証言が得られました。
「物心ついた時からTWICEやNewJeansがいて、韓国コスメを使うのは当たり前。歴史や政治のニュースがあることは知っていますが、それとカルチャーや現地の一般の人は別物です。親世代が『韓国はちょっと……』と顔をしかめるのを見ると、逆にジェネレーションギャップを感じます」
このように、若い世代は「国家」と「文化・個人」を完全に切り離して評価する「選択的受容」のスタイルを確立しています。一方で、中高年層にとっては「かつての度重なる外交的背信」の記憶が生々しく刻まれており、若者の無邪気な韓国礼賛に対して「無防備すぎる」と危惧の目を向けるなど、家庭や職場でも見解の断絶が生じているのが現在の実態です。