本殿の奥へと続く竹林の小径を抜けた先に姿を現すのが、來宮神社の御神木である「大楠」です。樹齢2100年以上、幹周り約23.9メートル、高さ約26メートルを誇り、本州で第2位、全国でも屈指の巨樹として国の天然記念物に指定されています。太古の噴火や幾多の風雨、落雷を乗り越えてなお青々とした葉を茂らせるその威容は、訪れる者を圧倒する圧倒的なエネルギーを放っています。
神社関係者への聞き取りや古くからの社伝によると、大楠の参拝には古来より語り継がれる2つの明確な御神徳と回り方の伝承が存在します。
- 延命長寿の祈願:御神木の周囲を1周回るごとに、寿命が1年延びると伝えられています。
- 心願成就の祈願:誰にも言わず、心の中で願い事をひとつだけ強く念じながら1周回ると、その願いが成就するとされています。
巡拝路は歩きやすい木製デッキが整備されており、足元への配慮がなされています。大楠の周囲を回る際は、鳥居をくぐり、幹の周りを時計回り(案内表示の順路通り)に静かに歩を進めるのが正式なマナーです。途中で立ち止まり、巨木が放つ澄んだ大気と木の香りを胸いっぱいに吸い込むことで、日々の喧騒で乱れた自律神経が整っていくのを実感できるはずです。
また、境内北側には落雷によって幹の内部が空洞になりながらも力強く生き続ける「第二大楠」(樹齢約1300年)も鎮座しています。かつては痛手を負いながらも蘇ったその姿から「不屈の生命力」「健康回復」の象徴として知られており、本殿裏の大楠と併せて巡礼することが強く推奨されます。