極限の耐久性を求められる環境や、厚手のデニム・キャンバス地を扱う場合は、やはり手縫いに勝る工法はありません。しかし、「マジックテープの硬さに負けて指が痛い」「針がベタついて途中で止まる」という挫折の声も目立ちます。
手縫いをスムーズに進める秘訣は「粘着剤なし(縫製用)テープの選定」と「針滑りの確保」にあります。裏面にシール粘着剤が付いているタイプを手縫いしようとすると、針に糊が付着して数針で通らなくなります。必ず手芸店や100均で「縫製用(シールなし)」と明記されたものを購入してください。もし手元にシール付きしかない場合は、針先に少量のミシン油やハンドクリーム、あるいは固形石鹸を軽く擦り付けることで、劇的に針通りが改善します。
縫い方においては、外周の四角形だけを縫うのではなく、「四角形の内側に×印を描くように対角線を縫い留める(バツ印ステッチ)」手法を取り入れます。これにより、開閉時に発生する中央部分の浮き上がりを完全に抑え込み、端部の糸にかかる荷重を分散させることが実証されています。縫い目は「半返し縫い」を採用することで、仮に一箇所の糸が切れても全体が一気に解けるリスクを完全に遮断できます。