日本の映像世界において、この姿勢に圧倒的な美学を与えた立役者といえば、間違いなく小栗旬だろう。彼が主演を務めた金字塔的映画『クローズZERO』は、単なるツッパリ映画の枠を超え、スタイリッシュなアクション映画としての金字塔を打ち立てた。屋上や荒れ果てた校庭でタバコをくゆらせながら深くかがみ込む姿は、スクリーン越しに強烈なインパクトを観客の脳裏に焼き付けた。
この作品のヒット以降、日本映画産業におけるアクション表現の解像度は一気に跳ね上がった。重力を無視した華麗なアクロバットではなく、地に足をつけた泥臭くも力強い身体性が、作品のリアルな熱量を生み出すキー要素となったのだ。