ダム底に沈んだ幻の木工芸「我谷盆」無骨な栗材が放つ至高の美と真価

ダム底に沈んだ幻の木工芸「我谷盆」無骨な栗材が放つ至高の美と真価

ダム底に沈んだ幻の木工芸「我谷盆」無骨な栗材が放つ至高の美と真価にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

NHKの人気番組『美の壺』や、そのアーカイブを配信するNHKオンデマンドでも、我谷盆をフィーチャーした回は今なお高い関心を集め続けている。映像のなかで視聴者を魅了したのは、光の角度によって刻一刻と表情を変える彫り跡の陰影だ。

制作に用いられる栗材は、タンニンを豊富に含むため、年月を経るごとに渋い飴色から濃密な黒褐色へと変化を遂げる。丸ノミを一彫り打ち込むごとに刻まれるリズミカルな凹凸が、部屋の照明や自然光を受けて深みのある陰影を創出。均質化された現代製品にはない、独特のゆらぎと存在感がそこにある。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。