迎香を押した際、心地よい痛気持ちよさを超えて「激痛」を訴えるケースが目立ちます。この痛みの背景には、主に3つの身体的要因が存在します。
第1に、鼻腔粘膜および副鼻腔の慢性的な炎症です。花粉症などのアレルギー性鼻炎や、慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)を抱えている場合、鼻腔周囲の毛細血管が拡張し、組織液が滞留して神経終末が過敏になっています。ツボの強い痛みは、鼻腔内部で炎症がくすぶっている警告サインといえます。
第2に、三叉神経の興奮と老廃物の滞留です。眼精疲労やデスクワークによる頭頸部の筋緊張が続くと、顔面部の血行不良が進み、発痛物質(ブラジキニンやプロスタグランジンなど)が筋肉と皮下組織の間に蓄積します。
第3に、表情筋(特に上唇鼻翼挙筋や小頬骨筋)の過緊張です。無意識の噛みしめや口呼吸、長時間の無表情によって鼻の横の筋肉が硬直すると、圧迫時に鋭い痛みが生じます。
この筋肉の緊張緩和こそが、近年の美容鍼灸で注目されるほうれい線の改善効果に直結しています。迎香周辺の筋肉がほぐれると、鼻横から頬にかけてのリンパ・静脈環流が促進され、顔中央部のむくみが解消されます。結果として、皮膚のたるみによって深くなっていた溝が目立ちにくくなり、口元の引き締めとフェイスラインのリフトアップがもたらされます。