『THE BRIDGE/ザ・ブリッジ』が伝説と呼ばれる所以は、観る者の予想を粉々に打ち砕く犯人の正体と、容赦のない結末にあります。各シーズンで描かれた核心部分を振り返ります。
シーズン1:真実のテロリストの正体とマーティンの悲劇
社会正義を標榜していた「真実のテロリスト」の正体は、かつてマーティンと同僚であり、警察の元捜査官だったイェンス・ニールセンでした。イェンスの犯行の真意は社会告発ではなく、過去にマーティンと不倫関係にあった自身の妻と子どもたちが交通事故で命を落としたことに対する、マーティン個人への執念深い復讐劇だったのです。最終的にイェンスの手によってマーティンの愛息オーガストが殺害され、マーティンは絶望のどん底へと突き落とされます。
シーズン2〜シーズン3:崩壊する絆と新たな相棒の影
シーズン2ではエコテロリズムを偽装した陰謀が描かれますが、ラストでマーティンは獄中のイェンスを毒殺してしまいます。サーガは正義と規則に従い、唯一無二の相棒であったマーティンを通報・逮捕するという非情な選択を下します。シーズン3からは心に深い闇を抱える刑事ヘンリック・サブローが新たなパートナーとして登場。ヘンリックは過去に妻と娘二人が突如失踪したトラウマから幻覚に悩まされており、サーガと互いの孤独を埋め合わせるように絆を深めていきます。
シーズン4(ファイナル):過去の呪縛からの解放と衝撃の最終回結末
母親殺害の冤罪で収監されていたサーガの釈放から始まるファイナルシーズンでは、難民問題に関わる連続殺人事件を追います。犯人の動機は過去の事件に関わる復讐であり、事件解決とともにヘンリックの長女アストリッドの生存が判明。ヘンリックは奇跡的な再会を果たします。
そして物語のクライマックス、サーガは自身の妹の自殺の原因が母親の「代理ミュンヒハウゼン症候群」による虐待であったことをカウンセリングで完全に悟り、長年背負い続けてきた自責の念から解放されます。警察手帳を海へ投げ捨て、電話口で「マルメ県警のサーガ・ノレーン」ではなく、ただの「サーガ・ノレーン」と名乗るラストシーンは、一人の人間として再生した瞬間を描いた至高の名場面です。