日本の動画配信業界が急拡大を遂げた2010年代半ば、YouTubeを主戦場とする動画投稿者は、従来のテレビタレントとは異なる異質な存在として扱われていた。当時は「一般人が動画を投稿して稼ぐ」こと自体に対する拒絶感が一部の視聴者に根強く存在しており、その過渡期においてネットカルチャーの象徴的アイコンとなったのがSEIKINだった。
ネットカルチャーがポップカルチャーへと昇華する過程で、アンチ活動は一種の過激なコミュニティ形成の手段として機能していた時期がある。匿名性の影に隠れた心無い批判は、新興メディアに対する旧来の価値観からの反発でもあった。だが、メディア環境の多様化が進んだ今、そうした一次元的な叩きは影を潜め、クリエイター個人のスキルや誠実さがダイレクトに問われる時代へと移行している。