かつて高級車が立ち並ぶショールームで陣頭指揮を執っていた男は、一夜にして路頭に迷う寸前まで追い詰められた。自動車輸入販売業を軸に破竹の勢いで事業を拡大していた時期、突如として襲いかかったのは英国MGローバーの破綻という青天の霹靂だった。手元に残ったのは巨額の在庫と、数十億円に及ぶ天文学的な負債。多くの経営者が絶望して倒れていく局面である。
だが、南原竜樹という起業家はそこで足を止めなかった。オフィスを引き払い、自らトラックを運転して荷物を運び、かつて自身が支援する立場にあったどん底の泥臭さを自ら体現した。レンタカー事業、飲食業、さらには医療関連ビジネスへと次々に進出し、驚異的なペースで事業を再構築。わずか数年で莫大な借金を完済し、再び年商数百億円規模の企業体へと返り咲いたニュースは、経済界に衝撃を与えた。