後藤輝基という人物を語る上で絶対に外せないもう一つの顔が、筋金入りのギタリスト・音楽マニアとしての側面です。フットボールアワー後藤のギターといえば、テレビ朝日系『アメトーーク!』の人気企画「芸人ドラフト会議」や「ギター芸人」で見せた、長渕剛を彷彿とさせる激しいピッキングとシャウトが有名です。しかし、彼の音楽愛はお笑い番組のネタという枠組みを遥かに超越し、プロの音楽人をも唸らせるレベルに達しています。
その情熱が結実したのが、音楽プロデューサーとしても名高い藤井隆が主宰するレーベル「SLENDERIE RECORD」からリリースされた後藤輝基のカバーアルバム『マカロワ』です。シティポップや昭和歌謡の名曲を独自の解釈で歌い上げたこの作品は、発売と同時に音楽関係者の間で大きな話題を呼びました。
単なる芸人の記念リリースではなく、選曲からボーカルのアプローチ、サウンドアレンジの細部に至るまで徹底的なこだわりが反映されています。実際にアルバムを聴いたリスナーからは、「これほど哀愁と色気のある歌声を持っているとは思わなかった」「ふざけた要素が一切なく、一人のシンガーとして完成されている」という絶賛の声が相次ぎました。お笑いで見せるハイテンションなツッコミとは対極にある、静謐でメロウな音楽的才能。この二面性こそが、後藤の人間的魅力をさらに深遠なものにしています。