SNSやネット掲示板、Q&Aサイトに寄せられる膨大な利用実態を分析すると、受信者が「好印象を抱く顔文字」と「鬱陶しい・不快と感じる顔文字」の間には明確な分水嶺が存在することが分かります。
大手ソーシャルメディアの定点観測調査やユーザーの直接的な証言において、特に評価が高いのは「文脈のニュアンスを補完し、押し付けがましさのない顔文字」です。「了解です」という一文だけでは冷徹なトーンに見えてしまう場面でも、「了解です ( ◜◡◝ )」と添えるだけで、受容と好意が即座に伝わります。20代の女性ユーザー手記では「絵文字のキラキラマークやハートは意図が重すぎる時があるけれど、( ˶ˆ꒳ˆ˵ )のような脱力系顔文字なら、自然な感謝をサラッと返せる」という心理的な軽やかさが語られています。
一方で、強い忌避感を生む典型例として批判が集まっているのが、いわゆる「過剰装飾によるノイズ化」です。知恵袋やSNSのスレッドでは次のようなリアルな本音が散見されます。
「1つの短文の中に顔文字が3つも4つも連なっていると、画面がチカチカして肝心の用件が読めない」
「大げさに飛び跳ねる顔文字を毎回送ってくる同僚がいるが、こちらにも同等のハイテンションな返信を強要されているようで精神的に疲れる」
つまり、ネットの反応から浮き彫りになる人気の秘訣は、派手さではなく「引き算の美学」にあります。1つの吹き出しにつき1個、文末にそっと添える程度の慎ましさこそが、現代のテキストコミュニケーションにおいて「愛される感情表現」の必須要件となっています。