大手クチコミサイトやSNS、地元コミュニティで交わされる浜松医科大学医学部附属病院の評判と口コミを精査すると、評価は真っ二つに分かれる傾向が見受けられます。この二極化の背後には、大学病院特有の診療構造と患者側の期待値とのズレが存在します。
肯定的な声の大半は、医療技術の高さと救命力に向けられています。「地元のクリニックで見落とされかけた重篤な病気を正確に診断してくれた」「困難な心臓手術を成功させてもらい、命を救われた」といった、第一線の臨床医に対する絶大な信頼が綴られています。一方で、ネガティブな意見の9割以上を占めるのが浜松医科大学医学部附属病院の待ち時間に対する強い不満です。
「予約時間の午前9時30分に合わせて到着したにもかかわらず、診察室に呼ばれたのは午後12時前だった」という体験談は珍しくありません。なぜ、完全予約制を導入していながらこれほどの遅延が生じるのか。大学病院関係者はその内幕を次のように明かします。
「大学病院を受診する患者さんの多くは、事前に血液検査やCT、MRIなどの画像検査を行います。医師が診察を行うにはそれらの検査データが揃う必要があり、検査室の混雑や検査結果の読影に一定のタイムラグが発生します。さらに、難治性の疾患を抱える患者さんへの病状説明には30分以上の時間を要することもあり、途中で緊急の処置や救急搬送の対応が入れば、予約枠全体のスケジュールが後倒しになってしまうのが偽らざる現場の実情です」
待合スペースでの疲弊を軽減するため、同院では携帯電話への呼び出し通知や院内表示システムの改善などIT化を進めていますが、午前中のピーク時に「数時間待ち」をゼロにすることは構造上極めて困難です。「待ち時間は長いが、その分だけ高度な専門医の知見と設備にアクセスできる対価である」と認識できるかどうかが、利用者の満足度を左右する決定的な分かれ道となっています。