炭酸ガスレーザーと並び、近年急速にシェアを拡大しているのが微細絶縁針高周波システム「アグネス(AGNES)」です。美容医療系の口コミサイトやSNS(X・旧Twitter、知恵袋など)において、脂腺増殖症の治療法として頻繁に名前が挙がる本治療ですが、実際の評判と限界はどうなっているのでしょうか。
アグネスの最大の特徴は、針の根本部分が絶縁コーティングされており、表皮に接触する部分には熱が発生せず、皮膚の深部(真皮内の皮脂腺)に達した針の先端からのみ高周波(RF)エネルギーを照射する仕組みにあります。これにより、従来のレーザー治療の最大のネックであった「皮膚表面に穴が開き、1週間以上保護テープを貼り続けなければならない」という制約をクリアしました。
取材によって浮き彫りになった、利用者のポジティブな評判とネガティブな不満点のリアルな内訳は以下の通りです。
- 高評価ポイント:
- 「施術翌日からメイクが可能で、職場や知人にバレずに治療を進められた」
- 「表皮を削り取らないため、炭酸ガスレーザーに比べて色素沈着のリスクや期間が明らかに短い」
- 「鼻や額の皮脂分泌そのものも抑制され、周囲の毛穴の開きも引き締まった」
- 後悔・不満の声:
- 「1回の照射では劇的に平らにならず、3回通院してようやく目立たなくなったため、総額が想定以上に高額化した」
- 「焼灼された皮脂腺の残骸が体内のマクロファージに貪食・吸収されるまでに2〜3ヶ月を要し、即効性を感じにくかった」
- 「麻酔クリームを塗布しても、真皮深部に針を刺して高周波を流す瞬間に独特の鋭い熱痛がある」
そして、患者が最も気にする「脂腺増殖症の再発率と真相」についてです。医学論文や複数の美容皮膚科クリニックの追跡データによると、脂腺増殖症の治療後再発率は手法を問わず約10%〜30%程度存在します。
なぜ再発するのか。脂腺増殖症の病巣は真皮の深層(毛包漏斗部の深部)まで木の根のように広がっています。再発を完全にゼロにしようとして病変を過剰に深くレーザーで蒸散したり強すぎるRFを照射すると、真皮の再生限界を超えてしまい、永久的なクレーター(陥没変形)を残してしまいます。そのため、熟練した術者ほど「傷跡を残さないギリギリの深さ」で治療を留めます。わずかに残存した正常な脂腺幹細胞が、数年後に再びホルモン刺激や加齢によって増殖することは、生体構造上やむを得ないトレードオフなのです。