破天荒なエネルギーで創作と社会運動に突っ走るいずみたく氏を、私生活とビジネスの両面で献身的に支え続けたのが、妻のミネ子(みね子)夫人をはじめとする家族でした。
作曲家という職業は、一度波に乗れば莫大な印税収入を生む一方で、劇団の維持や舞台制作には莫大な制作費と負債リスクが常に付きまといます。いずみ氏が理想のミュージカルを追い求め、赤字を恐れずに公演を続けられた背景には、家庭を守り、実務を切り盛りしながら夫の芸術活動を無条件で肯定し続けた妻の深い理解と覚悟がありました。
家族構成において、子供たちもまた父親の背中を見て育ち、その芸術的な遺産を守る道へと進みました。いずみ氏の急逝後、遺された「オールスタッフ」および劇団フォーリーズは、遺族や長年苦楽を共にした劇団員たちの手によって維持され、名称を「ミュージカルカンパニー イッツフォーリーズ」と改めながら、2026年の現在に至るまでいずみたく作品の再演や新作の上演を精力的に続けています。家庭という強固な安全基地と、信頼関係で結ばれた劇団仲間がいたからこそ、いずみ氏は最期の瞬間まで妥協なき挑戦を続けられたと言えます。