石井一成のプレースタイルを語るうえで外せないのが、アマチュア時代に培われた極めて純度の高いキャプテンシーと野球IQです。名門・作新学院高校時代には甲子園の土を踏み、早稲田大学へ進学後も第106代主将として名門を牽引しました。東京六大学リーグではベストナインを獲得するなど、常に重圧のかかる中心選手として修羅場をくぐり抜けてきた経験を持っています。
このアマチュア時代のエリート教育は、現在の「守備力」に色濃く反映されています。石井の守備の真骨頂は、単に捕球が上手いという次元を超えた「ポジショニングの妙」にあります。相手打者の配球傾向、カウント、自軍投手の持ち球を瞬時に計算し、打球が飛んでくる確率が最も高い位置へ静かに身体を寄せる。球場に足を運んでバックネット裏や内野席から観察すると、投手がモーションに入る直前に石井が細かくステップを刻み直す姿がはっきりと確認できます。
また、球場のボルテージを一瞬で引き上げるのが、ファンお馴染みの登場曲です。ベリーグッドマンの楽曲をはじめ、聴く者の心を奮い立たせるメロディに乗ってバッターボックスへと向かう背中には、エスコンフィールドHOKKAIDOに詰めかけた大観衆から特別な拍手が送られます。名門の主将を務め上げたプライドと責任感が、ワンプレーにかける気迫として結実しています。