SNSやネット掲示板を調査すると、「毎晩ピンセットで角栓を抜いている」「鼻の角栓を爪で押し出したら快感」といった声が後を絶ちません。しかし、美容皮膚科クリニックのカウンセリング現場を取材すると、深刻なトラブルを抱えて駆け込む患者の約8割が、こうした自己流の物理的ケアを過去に繰り返していた実態が浮かび上がります。
「20代前半の頃、小鼻の黒ずみが許せなくて、毎日鏡に張り付いて指で押し出していました。角栓がニュルッと出る爽快感に依存していたのですが、20代後半になった今、毛穴がすり鉢状に大きくぽっかり開き、ファンデーションが毛穴落ちして余計に目立つ最悪のコンディションになりました」(20代後半・一般女性の手記より)
現場の皮膚科医や熟練エステティシャンが口を揃えるのは、「角栓を無理に引き抜く行為は、毛穴の内壁(毛包漏斗部)をナイフで削り取るようなもの」という警告です。物理的刺激を受けた毛穴壁は防御反応として急激に角化を進め、より硬く頑固な角栓を急速に再形成します。結果として「角栓を抜く→毛穴が傷つき広がる→さらに大きな角栓が詰まる」という負のスパイラルに陥るケースが極めて多いのです。