ネット上の掲示板やSNSでは時折、「乱視用カラコンは選択肢が少ないから、近視用の度数を1〜2段階上げて使えば見通せる」という誤った裏技が語られます。これは眼科医学の観点から見て、極めて危険な誤認です。
近視度数を過剰に付加する「過矯正」を行うと、網膜の手前でピントが合いすぎた状態を眼筋が無理に毛様体筋を収縮させてピントを合わせようとするため、激しい眼精疲労、偏頭痛、さらには自律神経失調症状を引き起こします。一時的に文字の輪郭が濃く見えたとしても、乱視の根本原因である「方向による焦点のズレ」は一切治っていません。
また、眼科処方と通販購入の注意点まとめとして留意すべきは、ネット通販の利便性に潜む落とし穴です。処方箋不要で購入できるECサイトは利便性が高い反面、自己判断で度数を誤って発注し、見え方の違和感を抱えたまま装用を続ける利用者が後を絶ちません。乱視は年齢や眼圧の変化に伴い、軸度や度数が1年単位で微細に変化します。通販を利用する際も、半年に1度は眼科を受診して角膜内皮細胞の検査と度数の再測定を行うことが、不可逆的な目の障害を防ぐ防波堤となります。