原作漫画19巻から21巻にかけて描かれる上弦の壱・黒死牟との激突は、本作屈指の苛烈さを極めます。先祖である黒死牟と対峙した無一郎は、その圧倒的な実力差の前に左手首を切断され、自らの日輪刀で柱に磔にされるという非情な苦境に立たされました。
しかし、不死川玄弥、不死川実弥、悲鳴嶼行冥が合流すると、無一郎は自力で拘束を脱出。激痛と失血に耐えながら、命を捨てて間合いの内側へ飛び込みます。胴体を両断されるという致命傷を負いながらも、刺し通した刀を渾身の握力で「赫刀(かくとう)」へと変化させ、黒死牟の再生能力を停止させました。
この無一郎の捨て身の一撃が起点となり、黒死牟の撃破に成功します。戦いの後、静かに息を引き取った無一郎の魂は、あの世の入り口で兄・有一郎と再会を果たしました。「無駄死にだ」と泣いて怒る有一郎に対し、無一郎は「僕は幸せになるために生まれてきたんだ」「一度も逃げなかったし、後悔もしていない」と微笑んで答えます。命の長短ではなく、どのように生きたかを選び取った少年の魂は、永遠の安らぎを得て救済されました。