和田アキ子の本質は、日本のソウルシンガーである。レイ・チャールズやアサ・フランクリンに影響を受けたソウルミュージックのグルーヴ感を、日本の歌謡曲に見事に落とし込んだパイオニアと言える。重低音から突き抜けるハイトーンまで、心を揺さぶるシャウトは他の追随を許さない。
歌謡界の女王・美空ひばりもまた、彼女の類まれな歌唱力を高く評価していた一人だ。美空ひばりは生前、和田アキ子の歌声の中に秘められた本物のソウルと情熱を感じ取り、目をかけていたという。ジャンルを超えて本物の歌手同士が惹かれ合ったエピソードは、日本音楽史における貴重な一幕として今も語り草となっている。