京都の祇園祭、大阪の天神祭と並び、「日本三大祭り」の一つとして古くから語り継がれる神田祭。そのルーツを深く辿ると、江戸時代の熱烈な記憶に行き着く。当時は将軍家の上覧を賜ったことから「江戸天下祭」と称され、江戸城の敷地内へ神輿や山車が入城を許された極めて高い格式を誇っていた。
歴史の扉を開くと、天下分け目の戦いとして名高い関ヶ原の合戦が浮かび上がる。徳川家康が戦地へ向かう際、この地で戦勝を祈願し、見事天下統一を果たしたストーリーはあまりにも有名だ。以来、徳川将軍家の厚い崇敬を集めることとなった。さらに、この地に鎮座するのが、関東の勇将として民衆から強い信仰を集めた平将門である。かつて乱世のなかで武勇を馳せ、人々を守護する存在として奉られた平将門の威徳は、長き歴史の変遷を経た現代においても、神田神社(神田明神)の重要な神柱として静かに息づいている。