手足口病の症状が完全に治まった数週間から数ヶ月後、忘れた頃に爪が浮いて剥がれる現象の医学的な診断名は爪甲脱落症と呼ばれます。病気が再発したわけでも、栄養不足に陥ったわけでもありません。
爪は根元にある「爪母(そうぼ)」という組織で作られています。手足口病の原因となるウイルスのうち、特にコクサッキーウイルスA6型(CA6)などに感染すると、高熱や指先の強い水疱によって爪母の細胞分裂が一時的にストップしてしまいます。その結果、薄くて脆い部分やくびれが生じ、爪の根元に隙間が空いてペラペラと剥がれ落ちてしまうのです。
爪が剥がれた下の皮膚をよく観察すると、すでに薄い皮のような新しい爪が再生し始めているケースがほとんどです。「病気の後遺症」と聞くと深刻に捉えがちですが、身体の正常な回復プロセスに伴う一時的な現象であるため、冷静な見守りが求められます。