『サウダージ』がカラオケで極めて歌いづらいと感じられる背景には、単なる声の高さだけではない複合的な3つの難所が存在します。
第1の理由は、岡野昭仁特有の超人的な息の長さとノンストップの歌唱スタイルです。Aメロからサビの終わりに至るまで休符(無音区間)が極めて少なく、一般的な呼吸タイミングでは確実にサビ中盤で酸欠に陥ります。
第2の理由は、16分音符で詰め込まれた早口フレーズです。特にAメロの「哀しい夜を抜け出しても」から始まるパートは、母音をダラダラ伸ばしていると一瞬で伴奏から取り残されます。日本語の音節がラテンビートのタイトな隙間に敷き詰められており、滑舌のシャープさがダイレクトに試されます。
第3の理由は、シンコペーションによる変則的なリズムのハメ方です。拍の裏から入るフレーズが多く、リズムマシンに合わせて平坦に歌うと音程バーからズレてしまい、精密採点におけるリズム評価が大幅に削られる要因になります。