公式発表のデータだけでは見えてこない「暮らしのリアル」について、警察統計や住民コミュニティの証言を検証しました。
まず、大田原市の評判と治安に関して、栃木県警察の公表データによると、市内における刑法犯認知件数は人口比で見ても県内他市町と比較して極めて低水準で推移しています。繁華街特有の粗暴犯や重大犯罪は極めて稀であり、街灯の整備や地域住民による防犯パトロールも活発に行われています。「夜間に女性や子どもが歩いていても不安を感じにくい」という声が多く聞かれる通り、落ち着いた住環境が保たれています。
一方で、首都圏からの移住者が口を揃えて挙げる「地方特有のギャップ」も存在します。移住情報サイトやSNS上の生の声、住民座談会の取材では以下のような現場のリアルが浮き彫りになっています。
「東京から転入して最初の1ヶ月で痛感したのは、車がなければ生活が立ち行かないという現実です。夫婦でそれぞれ軽自動車を所有して初めて、この街の真の快適さを享受できるようになりました」(30代・IT企業勤務テレワーカーの手記より)
「冬場の気候には最初驚きました。雪はそれほど積もらないものの、那須連山から吹き下ろす『那須おろし』と呼ばれる乾いた強風が非常に冷たいです。ただし、暖房設備が整った高気密住宅を選べば室内は極めて快適に過ごせます」(40代・子育て世帯の住民談)
公共交通機関は市営バス(ゆーバス等)が運行されているものの、運行本数やルートは限られます。日常の買い出しや通勤、子どもの送迎を含め、「大人の人数分の自家用車を持つこと」が前提となる生活様式を受け入れられるかどうかが、定住成功の最大の分岐点となります。