ハンコ注射の跡を見れば、その人がどの時代に幼少期を過ごしたかが大まかに分かると言われるほど、日本のBCG接種制度は時代とともに大きく変遷してきました。法改正の歴史と世代ごとの特徴を整理すると、以下のようになります。
・1967年以前に生まれた世代:
当時はスタンプ式の管針法ではなく、注射針で皮膚に直接ワクチンを注入する「皮内注射法」や皮膚に傷をつけて液を塗る「乱刺法」が行われていました。そのため、規則正しい18個の点ではなく、1つの大きな円形の陥没痕やケロイド状の跡が残っているケースが目立ちます。
・1967年〜2002年頃に生まれた世代:
9本針の管針法が全国で本格導入された世代です。事前にツベルクリン反応検査(ツ反)を実施し、陰性だった人のみBCGを接種するシステムが採用されていました。小中学校での定期健診時に再検査を受け、追加接種を受けた経験を持つ人も多く、腕に2セット(合計36箇所)以上のスタンプ跡が残っているケースも見られます。
・2003年法改正以降(現行に近い世代):
結核の罹患率低下に伴い、ツベルクリン反応検査が原則廃止されました。生後早期に直接BCGを接種する体制へとシフトし、2013年以降は標準的な接種時期が生後5か月から8か月未満(対象は生後1歳未満)に設定されています。乳児期早期の非常に柔軟な皮膚に接種されるため、成人する頃には跡が極めて薄くなるか、目立たなくなる傾向が強まっています。