一見すると無害で愛くるしい動物に見えますが、ハリネズミが駆除対象とされる背景には深刻な生態学的理由が存在します。彼らは旺盛な食欲を持つ雑食性であり、地表に生息する希少な昆虫類、カタツムリなどの軟体動物、トカゲやカエルといった小型脊椎動物、さらには地上に営巣する鳥類の卵まで手当たり次第に捕食してしまいます。
また、野生のハリネズミが持つ危険性として見逃せないのが衛生面・健康被害のリスクです。野外で暮らすハリネズミは、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などを媒介するマダニを多数寄生させているケースが多く、サルモネラ菌などの人獣共通感染症の保菌源にもなり得ます。
飼育下の環境とは異なり、野生ハリネズミの寿命は自然界の厳しい環境下でおよそ3〜5年程度とされていますが、その短いスパンの中で高い繁殖力を発揮し、在来生態系のバランスを大きく崩す脅威となっているのが現状です。