子どもの頃は「見た目が気味が悪い」「人を食べちゃうから怖い」というストレートな恐怖だったものが、大人になると「自分の中にもカオナシがいるのではないか」という心理的な恐怖へと変化する。
他者との適切な境界線を引けず、距離感を過剰につめたり、拒絶されると逆上して自我を崩壊させたりするパターン。心理学者たちが指摘するように、カオナシは「未成熟な自己」の究極の象徴だ。自分を認識してくれない世界に対する底なしの孤独感が、暴力性と暴食へと繋がるプロセスは、大人の社会生活におけるメンタルの崩壊現場を見ているかのような生々しさを持っている。