セリア最大の強みであった「全品100円(税抜)」という揺るぎないアイデンティティが、皮肉にも自らの首を絞める結果となった。2026年現在の経済環境は、薄利多売を前提とする100円ショップにとって極めて厳しい。プラスチック原料や紙製品の仕入れ値は数年前から高止まりを続け、コンテナ運賃や電気代の上昇もボディブローのように効いている。
「仕入れ原価が80円や90円にまで達すれば、100円で販売しても粗利はほんのわずか。店舗の人件費や家賃を考慮すれば、売れば売るほど赤字に陥る店舗が出てもおかしくない」。大手証券会社のアナリストはそう解説する。100円という価格の壁を崩せない焦燥感が、不採算店舗の一括整理という決断へと同社を突き動かした格好だ。