近年は水産資源の保護意識の高まりや価格変動により、「うなぎ以外の代替食」で伝統を楽しむスタイルが定着しています。先人たちが実践してきた「う」のつく食材と土用三種の効能は、現代のライフスタイルにも見事にフィットします。
1. 「う」のつく食材の機能的メリット
- 梅干し(うめぼし):クエン酸が豊富に含まれ、乳酸の分解を促進して疲労物質を排泄します。また、強い殺菌力と唾液分泌促進により夏場の食欲減退を防ぎます。
- うどん:消化吸収スピードが極めて速く、冷房で冷え切った内臓を温かい出汁で温めることで自律神経を整えます。
- 瓜(うり=きゅうり・すいか・冬瓜・ゴーヤ):カリウムと水分を大量に含み、体内にこもった余分な熱を逃がす利尿作用に優れています。
- 牛肉(うし=うし肉):鉄分とタンパク質を補給し、貧血予防と筋力維持に寄与します。
2. 胃腸を休める「土用三種」の風習
古来、京都や北陸地方を中心に「土用餅」「土用しじみ」「土用卵」の3品を「土用三種」として重用してきました。
とりわけ夏に獲れるしじみは産卵前で身が肥えており、江戸時代には「土用しじみは腹薬、寒しじみは風邪薬」と謳われました。肝臓の解毒機能を助けるアミノ酸オルニチンが豊富で、暑さで弱った消化器官を強力にサポートします。脂っこい料理を受け付けない体調のときは、無理にうなぎを食べずしじみ汁や梅干し粥を選ぶのが伝統的な養生の本質です。