奈多海岸の魅力は、海中鳥居だけではない。背後に広がる広大な黒松の林は、かつて防風林・防砂林として先人たちが植え、何世代にもわたって守り継いできたものだ。この松林と白い砂浜、そして青い海が織りなすコントラストは、日本の伝統的な海岸美の極みと言える。
しかし、松くい虫の被害や、後継者不足による手入れの行き届かないエリアの増加など、松林の維持も容易ではない。地元の小中学生が授業の一環として松林の清掃や苗木の植樹を行うなど、次世代への教育活動も活発化している。歴史的な景観を守ることは、地域のアイデンティティを守ることに他ならないのだ。