遼東半島の先端部に位置する旅順(りょじゅん)と大連(だいれん)は、激動の歴史の爪痕を残しながらも、現代では全く異なる表情を見せています。
日露戦争の激戦地となった旅順は、天然の良港を持つ軍港都市として発展してきました。現在も中国人民解放軍海軍の重要拠点であり、かつて外国人の立ち入りが厳しく制限されていたエリアも、近年の都市整備と観光開発に伴い、日露戦争の激戦地である「203高地」や「東鶏冠山北堡塁」などが歴史教育基地・観光地として整備されています。
一方の大連は、人口700万人を超える中国東北部最大の対外開放港・近代都市へと変貌を遂げました。大連駅の駅舎が東京の上野駅を模して建設されたという歴史的エピソードが残るように、日本との経済的結びつきは極めて強固です。
現地駐在員や日系企業のレポートによると、大連には現在も多くの日系製造業やIT・ソフトウェア開発のBPO拠点が集積しており、日本語学習者の多さや親日的な都市風土でも知られています。かつて列強が奪い合った軍事要塞は、今や北東アジアを結ぶ国際物流・ビジネスの架け橋として機能しています。