ネット上の口コミ調査やソーシャルメディアの投稿を丹念に分析すると、観光客が「かどやの行列」に目を奪われる一方で、愛媛の事情に精通した地元客や頻訪ビジネス客からは全く異なる評価軸が提示されていることが分かります。「混雑を避けてすし丸に入ったら大正解だった」「実は松山のソウルフードである鍋焼きうどんこそ食べるべき」といった意見が数多く投稿されています。
その筆頭が、松山市内で老舗寿司店として確固たる地位を築いている郷土料理 すし丸 松山空港店です。すし丸の代名詞とも言えるメニューが、松山の郷土寿司「松山鮓(もぶり鮓)」です。瀬戸内の小魚でとった甘口の合わせ酢を混ぜ込んだ酢飯の上に、錦糸卵や穴子、エビ、地魚の切り身が鮮やかに散りばめられた一品で、宇和島鯛めしとは対照的な上品で奥深い甘みが特徴です。
さらに、すし丸では「松山鯛めし」(炊き込みスタイル)も提供されています。愛媛県内の鯛めしには、生の刺身を出汁卵と絡める「南予・宇和島流」と、昆布出汁で丸ごと炊き込む「中予・松山流」という歴史的な二大潮流が存在します。すし丸ではこの炊き込み鯛めしと新鮮な瀬戸内の握り寿司をセットで楽しむことができ、「派手さよりも実質的な味の深みと職人の技を感じられる」と高い満足度を獲得しています。
もう一つの隠れた実力派が、CHEF'S KITCHENなどで提供されている松山名物の鍋焼きうどんです。松山の鍋焼きうどんは、小ぶりなアルミ鍋で提供され、煮干しと甘口醤油で仕立てられた独特の甘いスープが特徴です。柔らかめに茹で上げられたうどんに、甘辛く煮た牛肉、ネギ、刻み油揚げが調和し、旅の疲労が蓄積した胃腸に優しく染み渡ります。提供までの待ち時間が約5〜7分と短く、1,000円前後の手頃な価格設定であることも、忙しい旅行者から絶賛される決定的な理由となっています。