オパールエッセンスの施術において、仕上がりの明度と安全性を大きく左右するのが事前準備と注入技術です。ウルトラデント社の公式プロトコルに沿った基本手順を順を追って確認していきましょう。
最初に行うべきは、丁寧なブラッシングによる歯面清掃です。歯垢(プラーク)やバイオフィルムが付着したままジェルを塗布すると、薬剤の浸透が物理的に遮断され、白さにムラが生じる原因になります。研磨剤が多く含まれる歯磨き粉は微細な傷を作り知覚過敏を誘発するため、低研磨性またはジェルタイプの歯磨き剤で磨き上げ、十分にうがいをします。その後、清潔なティッシュや綿棒を使い、歯の表面の唾液を完全に拭き取ってください。歯面が乾燥しているほど、薬剤がしっかりと密着して高い漂白効果を発揮します。
続いて最もデリケートな作業が、シリンジからのジェル注入です。オパールエッセンス塗布量の黄金律は、「トレイの1歯あたり米粒の半分程度(約0.04〜0.05ml)」です。シリンジ1本あたりの容量は1.2mlで設計されており、片顎(上下どちらか一方のトレイ)でおよそシリンジの1/3〜1/2目盛り分が1回分の適量となります。注入する位置は、トレイの底ではなく、歯の表側(外側の唇に面する部分)の真ん中よりやや下の位置です。奥歯はホワイトニングの対象外となることが多いため、基本的には笑った際に見える「前歯から小臼歯(左右の犬歯の1つ奥の歯)」までの計8〜10歯分にのみ注入します。
ジェルの注入が完了したら、慎重にマウストレイ装着方法を実行します。トレイを歯列に対して垂直に押し当て、指先で軽く押さえながら密着させます。このとき強く押しすぎるとジェルがトレイの縁から溢れ出てしまうため、優しくフィットさせるのがコツです。もし歯肉(歯茎)にジェルがはみ出した場合は、そのまま放置してはいけません。ティッシュペーパー、乾いた綿棒、または指先を使って、トレイの周囲にはみ出た余分なジェルを直ちに完全に拭き取ってください。過酸化尿素が歯肉に触れ続けると、組織が白く変色したり激しいヒリヒリ感(化学的熱傷)を引き起こします。
規定の時間が経過した後は、トレイを静かに取り外し、口内をぬるま湯で2〜3回しっかりとすすぎます。トレイ内部に残ったジェルは、柔らかい歯ブラシと流水を使って丁寧に洗い流してください。熱湯を使うとトレイが熱変形を起こして歯列に合わなくなるため、必ず冷水または人肌以下のぬるま湯で洗浄し、水分を拭き取って専用ケースで乾燥保管します。