日本で1万円札(C号券)が初めて発行されたのは1958年(昭和33年)12月1日のことです。高度経済成長期の幕開けとともに登場した最高額紙幣は、日本の経済発展の象徴として時代ごとに異なる偉人を肖像に迎えてきました。これまでに発行された1万円札の歴代人物は以下の3名です。
初代を務めたのは、長年「お札の顔」の代名詞でもあった聖徳太子(厩戸皇子)です。飛鳥時代の政治家であり、十七条憲法や冠位十二階を制定した平和と調和の象徴として、戦後の高度経済成長期を支える紙幣にふさわしい存在として選ばれました。
2代目となったのが、啓蒙思想家であり慶應義塾の創設者である福沢諭吉です。1984年のD号券で初めて登場し、2004年のE号券でも異例の「続投」を果たしました。『学問のすすめ』で知られる近代教育・文化の父として、約40年にわたり日本の最高額紙幣の顔として君臨しました。
そして3代目が、現在発行されているF号券の渋沢栄一です。明治から大正にかけて日本の近代経済の礎を築いた大実業家であり、名実ともに新しい時代を牽引する肖像として抜擢されました。