2020年9月、大麻取締法違反容疑による突然の逮捕は、映画界のみならず社会全体に強烈な衝撃を与えました。同年12月に東京地裁で言い渡された判決は懲役1年・執行猶予3年。事実上の活動休止を余儀なくされた伊勢谷は、表舞台から完全に姿を消すこととなります。
転機が訪れたのは、執行猶予期間が満了した2023年12月でした。刑の言渡し効力が消滅した直後の2024年3月、映画『ペナルティループ』(荒木伸二監督・若葉竜也主演)にて、主人公の復讐の標的となる男という極めて重厚な役柄でスクリーン復帰を果たします。当時、製作発表や公開初日の舞台挨拶で彼が見せた引き締まった表情と、深々と頭を下げた所作は、各メディアで大きく報じられました。
映画関係者の証言によると、復帰作の現場で伊勢谷は一切の妥協を排し、ワンカットごとに監督と入念な対話を重ねていたといいます。公判の法廷や自らの発信において「許されるなら、もう一度役者として生きたい」と語った言葉通り、2026年現在も映画や舞台など、純粋な演技力を問われる現場からのオファーは途絶えていません。地上波キー局の連続ドラマや大手ナショナルクライアントのCM出演こそ閉ざされているものの、作家性の高いクリエイター陣からは今なお代えのきかない表現者として認知されています。