ふたりの歴史が交差したのは1974年の東京・原宿でした。当時、ビートルズ直系の革新的なサウンドと革ジャン・リーゼントスタイルで社会現象を巻き起こしていたのが、矢沢永吉を中心とする「キャロル(CAROL)」です。
一方、表参道を拠点に黒ずくめのカワサキやハーレーダビッドソンを操り、街の若者たちから圧倒的なカリスマとして崇められていたのが、舘ひろしがリーダーを務め、岩城滉一らが副リーダー格として在籍したバイクチーム「クールス(COOLS)」でした。
キャロルの親衛隊を務めることになったきっかけは、キャロルの所属事務所からのオファーでした。当時のロックコンサート会場は熱狂のあまり暴動寸前になることも日常茶飯事で、圧倒的な存在感と統率力を持つクールスに白羽の矢が立ったのです。「黒の革ジャン」という共通のアイコンを持つふたつの才能は、こうして必然のように結びつきました。