松原タニシの名を日本中に知らしめた決定打が、2018年に刊行されたノンフィクション著書『事故物件怪談 恐い間取り』シリーズです。自ら間取り図を描き、どの場所で誰が亡くなり、自身がどんな現象に見舞われたかを客観的かつ克明に記した同書は、異例のベストセラーを記録しました。
2020年には中田秀夫監督、亀梨和也主演によって実写映画化され、興行収入23億円を超えるメガヒットを達成。この映画の大成功により、「事故物件」という言葉自体の社会的認知度が飛躍的に高まりました。
彼の怪談実話が多くの読者を惹きつける最大の要因は、過度な脚色を行わない点にあります。「何も起きない日」のリアルも含めてありのままを伝える姿勢が、かえって怪奇現象が起きた瞬間の恐怖を際立たせています。