悪魔のZは実在する?S30Zが誇る600馬力の真相と伝説の現在

悪魔のZは実在する?S30Zが誇る600馬力の真相と伝説の現在

悪魔のZは実在する?S30Zが誇る600馬力の真相と伝説の現在についての最新情報を徹底解説します。

作中において、地獄のチューナー・北見淳が組み上げた悪魔のZの心臓部は、日産の直列6気筒名機「L28型」をボア・ストロークアップによって3.1リッターまで拡大し、ツインターボで過給した「L28改 3.1L ツインターボ」です。設定上のスペックは、最高出力600馬力以上、最大トルク80kgm級、最高速度300km/hオーバーとされています。

現代の感覚では「600馬力」という数値は最新スーパースポーツでも珍しくありません。しかし、車重がわずか1,000kg前後に過ぎず、トラクションコントロールやABSはおろかパワーステアリングすら備わっていない1970年代のS30Zに600馬力を注ぎ込むことは、工学的には「制御不能な走る凶器」を作り出すことに等しい試みでした。

項目悪魔のZ(作中設定)S30Z 純正ノーマル(240Z/L24)2026年最新レストモッド仕様搭載エンジンL28改 3.1L 直6ツインターボL24型 2.4L 直6 NA(キャブレター)RB26DETT換装 または L28改EFIターボ最高出力(馬力)約600ps〜680ps150ps450ps〜550ps(実用耐久重視)車両重量約1,050kg(徹底的な軽量化)約1,010kg約1,100kg(補強・安全装備込)推定最高速度300km/h超(320〜330km/h域)約205km/h約280km/h〜300km/h編集部の技術評価当時の空力・タイヤ限界を超えた狂気の極致軽量FRスポーツとしての高い完成度現代の電子制御・ブレーキで手なずけた進化形

当時のチューニング事情を振り返ると、TRUSTのTD06ツインターボやキャブレターターボ(のちに電子制御インジェクションへ進化)を組み合わせ、ブースト圧1.5kg/cm²以上を掛けることで600馬力を絞り出すことは技術的に可能でした。しかし、薄い鋼板で作られたS30Zのモノコックボディは過大なトルクによって激しく捩れ、フロントのリフト(浮き上がり)現象によってステアリングの手応えが消えるなど、ドライバーには常に死と隣り合わせの精密なマシンコントロールが求められたのです。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。