伝統的な株式や債券の相関性が崩れる局面において、オルタナティブ投資の中核としての金が果たす役割は極めて大きい。伝統的アセットのヘッジ手段として、コモディティ投資全般への関心が再燃しているが、そのなかでも金の流動性と実物価値は突出している。
ネット証券大手のSBI証券などを通じた金ETFの取引高は急増の一途を辿っている。保管コストや盗難リスクを完全に排除できるペーパーゴールドは、機動的なトレードにおいて無類の強みを発揮する。その一方で、金融インフラそのものが危機に瀕した際の保険として、インゴットを手元に抱え込む現物主義者も根強く残る。利回りを生まないという金の宿命的な弱点を補って余りあるキャピタルゲインの魅力が、機関投資家から個人の資産防衛層までを等しく惹きつけてやまない。