2026年の韓国政界を読み解くうえで決定的な起点となったのが、2024年4月に実施された第22代総選挙です。中央選挙管理委員会の公式確定データによると、国会定数300議席のうち、最大野党である「共に民主党」を中心とする野党陣営が約190議席を獲得し、与党「国民の力」は改憲阻止ライン(100議席)を辛うじて維持する108議席にとどまる歴史的大敗を喫しました。
この総選挙の結果速報が流れた瞬間から、尹錫悦政権の現在は事実上のレームダック(死に体)状態へと追い込まれました。大統領府主導の政策法案は国会で次々と否決され、野党が単独可決した法案に対して大統領が拒否権(再議要求権)を行使し続けるという、消耗戦が繰り返されてきた経緯があります。
一方、野党第一党を率いる李在明氏の動向は、政権奪取に向けた布石を打つと同時に、自身が抱える複数の司法リスクとの熾烈な時間との闘いでもあります。大統領選有罪時の公民権剥奪を巡る裁判が進行するなか、野党陣営は政権側の不正疑惑追及と特別検察官(特検)法案の成立を武器に、世論を味方につけた攻勢を緩めていません。国会を掌握する野党と、人事権・行政権を握る大統領府の衝突は、まさに韓国政治史上稀に見る極限の膠着状態を作り出しています。