未加入が発覚した際、会社に加入手続きを依頼しても「過去の分は処理できない」「手続きが面倒だ」「パートだから対象外だ」などと、雇用保険遡り加入会社拒否の姿勢を取られるケースは珍しくありません。事業主が追徴金や過去の保険料負担を嫌がり、協力を拒む事態に直面したときは、労働者自身が行政機関を直接動かす雇用保険遡及加入手続きを取る必要があります。
その切り札となるのが、雇用保険法第8条に基づく「ハローワーク確認請求」(雇用保険被保険者資格の取得に関する確認の請求)です。この制度を利用すれば、会社の同意や署名が一切なくても、労働者単独の申し立てによって行政調査を開始させることができます。
確認請求を行う際の具体的な実務フローは以下の通りです。
- ステップ1:客観的証拠の収集
雇用契約書、労働条件通知書、シフト表、タイムカードのコピー、給料明細書、源泉徴収票、給与振込口座の通帳記帳履歴など、勤務日数と労働時間、賃金支払いを証明できる書類を揃えます。 - ステップ2:所轄ハローワークへ「確認請求書」を提出
勤務先の所在地を管轄するハローワーク(需給窓口または適用窓口)へ出向き、確認請求書を記入して証拠書類を提出します。 - ステップ3:ハローワークによる事業所への職権調査
行政担当者が事業主に対して立ち入り検査や賃金台帳・出勤簿の提出命令を出し、加入要件を満たしていたかの事実確認を行います。 - ステップ4:行政処分による資格取得と通知
要件適合が確認されれば、ハローワークが職権で資格取得を決定し、労働者へ「雇用保険被保険者資格取得届完了通知」および雇用保険被保険者証が交付されます。