排泄後におしりを「前から後ろ」に拭くべきか、それとも「後ろから前」に拭くべきかという議論は、家庭環境や個人の癖によって二分されがちです。しかし、解剖学および感染症予防の観点から導き出される結論は、「前から後ろ」への一方通行の一択です。
最大の理由は、便に含まれる腸内細菌(大腸菌など)による尿路感染症の防止にあります。女性の身体構造は、尿道口・膣・肛門が極めて近い位置に並んでいます。後ろから前へとペーパーを動かしてしまうと、肛門周辺の細菌を尿道や膣へ塗り広げる形となり、膀胱炎や膣炎を引き起こすリスクが跳ね上がります。これは正しいおしりの拭き方 大人の基礎知識として男女問わず徹底すべき原則です。男性であっても、陰嚢側へ便を広げないために前から後ろへ拭き抜く動作が衛生上最も合理的です。
また、便座に座ったまま手を後ろから回して拭くスタイルが最も肛門周囲の視野・可動域を確保しやすく、皮膚を無駄に引っ張らずに済むアプローチとなります。