「コマンド一つで完璧な画像が出てくる時代に、あえて数ヶ月かけて手で描く意味はどこにあるのか?」
アトリエで作業していた絵画学科の学生に問いかけると、迷いのない答えが返ってきた。「AIは完璧な結果を出してくれます。でも、私たちが求めているのは過程で起こる『失敗』や『迷い』なんです。キャンパスで泥臭く素材と格闘している時間そのものが、自分の思考を作っている感覚があります。」
キャンパスの工房スペースを覗くと、金属を叩く不規則な音が響き渡っていた。2026年の最先端テクノロジーを取り入れつつも、鷹の台の学生たちは人間の身体感覚を極限まで研ぎ澄ませている。便利さの裏側に隠れがちな「手触り感」や「物質の重み」を取り戻す試みが、すべての教室で進行中だ。