日本の食文化において、すき家が果たしてきた役割は極めて大きい。全国に巨大な店舗網を打ち立てた株式会社ゼンショーホールディングス。その創始者でありグループを牽引してきた小川賢太郎の指揮のもと、すき家は常に消費者の欲望の先回りをしてきた。
かつて「とんどん」の愛称で親しまれた豚丼は、BSE問題に端を発する牛丼休止期に誕生した単なる代替品にとどまらない。牛丼がメニューに復帰した後も「あの豚丼をもう一度食べたい」という根強いファンの熱望が止まらなかった。企業としての合理性と顧客への熱情が生み出したこのメニューは、日本の外食史に残るヒット作となったのだ。