二人の関係性を語る上で、東の海(イーストブルー)編におけるアーロンパークでの出来事を外すことはできない。己の無力さに涙を流す彼女に対して、主人公であるモンキー・D・ルフィが自らの命と同等に扱う「麦わら帽子」を無言で頭に被せた瞬間、二人の間には言葉を必要としない絶対的な契約が結ばれた。
ナミにとってその帽子は、亡き養母ベルメールの意志や故郷の絶望を包み込み、新たな生を与える救いの象徴となった。一方、ルフィにとっても自分の「弱さ」や「大切なもの」を委ねられる唯一の存在が彼女だったのだ。この原点の体験こそが、その後の幾多の死線を乗り越える強力な感情的バックボーンとなっている。